こんにちは。商いの価値を再定義し伝える専門家、三浦事ム所の三浦路夫です。
「営業からは大丈夫だと聞いていたんですが……」
お客様にこう言われたとき、社内では「そこまで約束した覚えはない」「その条件は聞いていない」というやり取りが始まることがあります。
でも、お客様が仕事を頼んだのは営業部だけではありません。会社に頼んでいます。社内の事情を説明されても、「この会社に任せて大丈夫だったのだろうか」という不安は残ります。
私は、部門間の連携を考えるとき、このお客様の見方を出発点にしたいと思っています。
同じ「金曜日納品」でも、意味は違う
たとえば、展示会で配るパンフレットを受注した場面を考えてみてください。
営業は、お客様から「土曜日の展示会で使いたい」と聞き、金曜日の納品を約束しました。しかし、制作側に渡されたのは「金曜日納品」という日付だけ。途中で原稿の修正が増え、担当者は「週明けに延ばせないだろうか」と考えます。
制作担当者が無責任とは限りません。パンフレットが何に使われるかを知らなければ、修正に時間をかけることと、一日も遅れないことの、どちらを優先すべきか判断しにくいのです。
ここで共有したいのは、日付に加えて「土曜日に使えなければ、今回つくる目的を果たせない」という事情です。
事情がわかれば、修正が増えた時点で、金曜日に届けるには何をいつまでに決める必要があるかを、営業と制作で相談できます。お客様にも、今回の納期で反映できる修正の範囲を説明し、何を優先するかを相談できます。
「共有しましょう」だけでは変わらない
ただし、事情を知っても、すでに実現できない約束をしていたら間に合いません。通常と違う納期や条件は、営業がお客様へ答える前に、現場と確認する必要があります。
また、現場が難しさを伝えたときに「何とかして」で終わらせないことも大切です。何を変えれば応えられるのか、何は受けられないのかを、会社として判断しなければなりません。
引き継ぎの項目を増やす前に、一件の仕事について話してみてください。「お客様は、この仕事で何を実現したいのか」「そのために、絶対に外せない条件は何か」。営業と現場の答えは揃っているでしょうか。
こうした確認は地味です。それでも、営業で聞いた話が、その後の仕事でもきちんと守られる。その経験が重なって初めて、お客様は「この担当者なら」から「この会社なら」と安心して任せられるようになります。
自社をどう見せるかを考えるとき、その見せ方を支える仕事まで見たい。三浦事ム所が、社内の対話もブランド構築の一部として大切にする理由です。
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